ころんと丸く可愛らしいフォルムの
お雛さま
木目込み人形のはじまりは江戸時代中期。
天然素材の桐塑製ボディに細い溝を彫り、布地を「木目込む」技法でつくるお雛様。
衣裳が型崩れしにくいため保管しやすく、丸く可愛らしいフォルムが近年人気を集めています。
※桐塑(とうそ)…桐の粉末に糊を混ぜて練った素材
天然素材の桐塑製ボディに細い溝を彫り、布地を「木目込む」技法でつくるお雛様。
衣裳が型崩れしにくいため保管しやすく、丸く可愛らしいフォルムが近年人気を集めています。
※桐塑(とうそ)…桐の粉末に糊を混ぜて練った素材
ひととえの木目込み雛人形ができるまで
step.1
出来上がったときの衣裳の配色のバランスや、袖の重ねの幅などをイメージしながら、粘土でボディの原型を起こします。
起こした原型を木枠に入れて樹脂を流し込み「カマ」と言われる型を作ります。更にカマに桐塑を詰めて取り出す「ヌキ」の作業を繰り返します。
起こした原型を木枠に入れて樹脂を流し込み「カマ」と言われる型を作ります。更にカマに桐塑を詰めて取り出す「ヌキ」の作業を繰り返します。
step.2
ボディが抜けたら1週間ほど乾かし、表面のデコボコや余分な部分を丁寧に削っていきます。ひび割れなどは桐塑を足しながら竹べらで補修します。桐塑での制作は扱いも難しく手間がかかりますが、桐塑でしか出すことのできない曲線美や自然で温かみのある原型に仕上がります。
step.3
整えたボディ全体に「胡粉」を塗ります。これはボディの強度を上げるため、また、湿気で収縮するのを防ぐための大切な作です。衣裳を木目込む際にも、下地が白い方が綺麗な色目を出すことができます。
※胡粉(ごふん)…カキやはまぐりなどの貝殻を粉状にしたもの
※胡粉(ごふん)…カキやはまぐりなどの貝殻を粉状にしたもの
step.4
実際に布地を木目込むための筋を入れる「筋彫り」の工程に進みます。
2から3ミリ程の深さで、浅くても深くてもうまく木目込むことができないため、非常に高度な技術を要します。人形の仕上がりを左右する重要な工程です。
2から3ミリ程の深さで、浅くても深くてもうまく木目込むことができないため、非常に高度な技術を要します。人形の仕上がりを左右する重要な工程です。
step.5
筋彫りをした溝に、型紙に合わせて裁断をした布地を木目込ベラと糊を使ってしっかりと木目込んでいきます。手のひらサイズのひととえのお雛様の木目込みは非常に細かい作業で着せつけた衣裳にしわが寄らないよう布地を逃がしながら、細心の注意を払います。
step.6
頭師(かしらし)によってつくられた頭や手をボディに取り
つけていきます。
角度や向きに注意しながらお顔をつけ、髪の毛をブラシで整えます。全体の仕上がりを確認したら、ようやくお雛様の完成です。
角度や向きに注意しながらお顔をつけ、髪の毛をブラシで整えます。全体の仕上がりを確認したら、ようやくお雛様の完成です。
ひととえの雛人形づくり
ひととえの人形づくりは江戸時代から受け継ぐ分業制です。
高い志をもつ職人たちがいくつもの工程を繋いでいきます。一切の妥協を許さず、‟これぞ本物”といえるお雛さまをつくるために、極められた熟練の技を注いでいます。
高い志をもつ職人たちがいくつもの工程を繋いでいきます。一切の妥協を許さず、‟これぞ本物”といえるお雛さまをつくるために、極められた熟練の技を注いでいます。
人形工房ひととえ代表 木目込み原型師
松永 隆志
長く愛される人形をつくるためには、作り手である職人さえも感動する人形をつくるしかない” そう信じて、小さくても一流のお雛さまにこだわり、高度な技術を惜しみなく注いだひととえは、同じ志で集まった職人たちの結晶なのです。
トータルプロデューサー
大里 幸子
現代の暮らしの中に違和感なくとけ込むようアレンジしたお雛さま。その中で私たちが大切にしていることは、飾った
ときに満たされる優しさ、愛おしさ、豊かさが宿る佇まいをつくること。手塩にかけてひとつひとつ丁寧に、手の温もりを宿したお雛さまだからこそ価値があると思っています。
頭師
赤松 勝己
可愛らしく上品なひととえの顔は、原型を完成させるまでに1年を費やした自信作です。小さいがゆえに、わずかな誤差でもがらりと表情が変わるため ‟ 入れ目 ”の角度や胡紛がけの厚みにも0.01ミリ単位の調整を欠かすことができません。
織元
十三代目 誉田屋勘兵衛
270年の伝統を継承しながらも、現代の自分にしかできない織物づくりをストイックに追求していきたい。
極上の布地を使うことで生まれる色と光沢、緻密な織りが創り出すコクと風合いは、他では絶対に真似できないと自負しています。
極上の布地を使うことで生まれる色と光沢、緻密な織りが創り出すコクと風合いは、他では絶対に真似できないと自負しています。