いまどき人気の五月人形を教えて?

2021年03月23日

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〇五月人形のトレンドは “コンパクト&スタイリッシュ”

かつてはお座敷の真ん中に堂々と飾られた段飾りの五月人形、最近ではめっきり見かけなくなりました。核家族化や少子化が進み、若い子育て世代の住宅環境やライフスタイルが大きく変化したことで、お座敷の五月人形はいま、リビングへと場所を移しているからです。若いパパ・ママが暮らす市街地のマンションやアパートは、2LDK~3LDKの間取りが一般的で、和室がないことも多く、段飾りの五月人形を置くようなスペースはありません。床置きではなく家具の上などにコンパクトに置けるサイズ感と、リビングのおしゃれなインテリアにマッチするデザイン性、両方を併せ持つ五月人形が、いまどきのトレンドといえるでしょう。

もう一つ、最近のパパ・ママたちは家族のイベントを多くの人たちと共有したいと考えています。祖父母を招いて初節句を盛大に祝うだけでなく、SNSを使って広く発信し、友人やフォロワーと喜びを分かち合いたいと考えている人もいます。女の子のお節句の話になりますが、雛まつりに関する調査では5人に1人が雛まつりの写真をFacebookやInstagramに投稿したことがあるのだとか。男の子であっても、わが家の端午の節句をSNSで発信するパパ・ママは、同じくらいいると考えられます。

思い出の写真や動画に映る五月人形は、リビングにおけるデザイン性だけではなく、みんなから「いいね」と言ってもらえるおしゃれ感も必要なんですね。

そんなパパ・ママから人気があるのは、スタイリッシュな兜飾りです。とくに兜の印象を決める鍬形が細長くスッキリしているものが好まれる傾向にあり、錣(しころ)の縅糸(おどしいと)や忍(しのび)の緒(お)の色もシックな黒やビビッドな赤が人気です。金具部分が金色のものは高級感がありますし、シルバーや燻銀(いぶしぎん)のものはモダンな印象を受けます。昔ながらの力強いデザインよりも、洗練されたスマートな印象の兜飾りは、いまひときわ人気の高い五月人形といえるでしょう。

 

〇高級感ただよう “本格志向” の五月人形が人気

デザイン性では、鎧飾りも見逃せません。甲冑の見どころは鍬形をたずさえた兜だけでなく、胴回りの細工や大袖(おおそで)・草摺(くさずり)部分の模様や配色にも個性が光ります。コンパクトサイズだと迫力に欠けるかもしれませんが、小さいからといって作りが簡略化されているという訳ではありません。むしろ小さいからこそ、細部を作り込む優れた職人の腕が必要となります。甲冑師による緻密な細工は、見る者を魅了し感動を与えることでしょう。

このように、コンパクトでも一流の職人が伝統技術を駆使してつくる “本物志向” の五月人形にこだわる方が多いのも、最近の傾向です。少子化で一人ひとりの子どもにかける思いが強いいま、両家のご実家の援助もあり、本当に良いものを与えたいと考えるパパ・ママは多いようです。家族の心を伝える縁起物だからこそ間違いのないものを、という親心が伺われますね。

日本の甲冑は海外でも芸術品として高く評価されています。アートとしても光を放つ五月人形は、ケース飾りでより美しくディスプレイするのもおすすめです。

コンパクトでモダンな五月人形をいち早く提案してきた人形工房ひととえでは、スタイリッシュな五月人形にふさわしいオリジナルガラスケースをプロデュース。格調高い五月人形にマッチした重厚感・高級感・透明感が自慢のフレームレスデザインが人気です。宝飾店さながらの気品あふれる五月人形の飾り付けは、ぜひショールームでご覧ください。

 

〇ぬくもり溢れる木目込人形が注目度アップ

五月人形といえば、定番は兜飾りという印象が強いかもしれませんが、最近は少し様子が変わってきました。愛らしい表情の大将飾りやおぼこ人形など、ほっこりとあたたかみのある木目込人形の人気が急上昇しているのです。

ショールームや展示会に来られるパパ・ママと話をしても、「兜にしようか大将にしようか悩んでいたけれど、ぬくもりが感じられる木目込の大将飾りに心奪われました」とか「あどけない表情がうちの子にそっくりだったので、木目込人形に即決しました」など、これまでとは違う見方で五月人形を選ぶ方が増えたと感じます。

かつては「強くたくましく」の願いを込めて飾られた五月人形ですが、ジェンダーレスが叫ばれる時代になり、男の子にも “強さ・勇ましさ” より “やさしさ・思いやり” が必要ということでしょうか。昔からの習わしどおり、ママのご実家で五月人形を用意される場合はとくに木目込人形が人気です。

木目込人形は、江戸時代中期に京都で発祥したお人形で、江戸の町でも大流行しました。桐の粉末を糊で練って成形した桐塑(とうそ)製のボディに溝を彫り、衣裳となる布地を「木目込む」技法で作られるため、造形に職人の個性が出やすく、型崩れしにくいという特長があります。表情豊かなお顔は味わい深く、丸みを帯びたフォルムはしっくりと手に馴染みます。そうしたあたたかさやかわいらしさが、人気の秘密なのかもしれません。

人形工房ひととえでは、根強い人気の兜飾りや鎧飾りはもちろん、伝統的な技と素材にこだわる木目込人形メーカーとして、工房オリジナルの木目込五月人形も豊富にご用意しております。凛々しいお顔の大将飾りだけでなく、幼子の愛らしさがいっぱいの御所人形やおぼこ人形も人気があります。木目込の技法でつくる鎧飾りは、ひととえブランドが立ち上がった当初からのロングセラー。甲冑のカッコよさと木目込人形のあたたかさを持ち合わせた人気商品です。いま最も熱い視線を集める木目込の五月人形、ぜひ選択肢のひとつに加えてみませんか。