おしゃれに飾れる五月人形を教えて?

2021年03月30日

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〇インテリアにマッチした五月人形を選びましょう

五月人形を選び始めるとき、みなさんが最初に考えることは何ですか?

「部屋が狭くなるからコンパクトサイズの五月人形にしたい」とか「かわいい顔の大将飾りがいい」とか、何かしらのビジョンを思い描いているのではないかと思います。サイズや好みは絶対に外せない条件であることに間違いはありませんし、コンパクトな五月人形は空間に占める割合が小さい分、主張が強くなりすぎずインテリアとのバランスを保ちやすいのも確かです。

そこにもう一つ、購入後の満足度をグーンとアップさせるために、ぜひ付け加えてほしいポイントがあります。それは、わが家のインテリアにマッチする五月人形かどうか―。この新しい視点を一つ加えることで、飾り付けたときに感じる「なんだかしっくりこない」という違和感がなくなり、お部屋にぴったりのおしゃれな五月人形が選べるはずです。

ビジュアル世代の若いパパ・ママはとてもセンスがよく、洗練されたインテリアに囲まれて暮らしています。しかし、モダンでおしゃれな生活空間に「五月人形は昔からこういうもの」という既成概念や諦めでオーソドックスな五月人形を置いてしまうと、どうしてもミスマッチな感じがするかもしれません。伝統的な純和風の要素をおしゃれな洋室に取り入れる訳ですから、当然のことです。飾る場所がお座敷からリビングに変わったいま、五月人形もおしゃれなインテリアにふさわしい姿にアップデートしたいものです。

現に「五月人形をもっとおしゃれに飾りたい」「リビングに置けるおしゃれな五月人形が欲しい」といった声を最近よく耳にします。リビングは住む人の好みやセンスがあらわれる場所。おしゃれな五月人形を探している方は、五月人形もインテリアの一つと考えて、家具やファブリックと同じような基準で選ぶことをおすすめします。

 

〇素材や色調をあわせると “おしゃれ度” がアップします

では、みなさんは家具やファブリックを選ぶとき、どんなことに注意するでしょうか。まず、色や素材を合わせますよね。白を基調にしたシンプルモダンの部屋にデコラティブで華美なものは似合いませんし、ナチュラルテイストの部屋にハードで重厚なものはマッチしません。空間をおしゃれにキメるためには “ごちゃごちゃ” “こてこて” はNG。色や素材に統一感を持たせながら、コーディネートしていくのではないでしょうか。

五月人形を選ぶときも同じです。家のリビングに新しいソファを買うような気持ちで素材や色を絞っていくと、おしゃれなインテリアとも相性のよい五月人形が選べます。

例えば、五月人形の主流である兜飾りの印象を決めるのは、①鍬形(くわがた)の形状、②忍(しのび)の緒(お)の色、③威(おどし)の配色です。鍬形は正面を飾る角状の飾りで、太さや長さに個性があらわれます。太く短いものは力強さを感じ、細長いものはスマートな印象です。煌びやかな金色は高級感がありますが、シックなシルバーや渋みのある燻銀(いぶしぎん)のものはスタイリッシュにキマります。忍の緒は兜を結び留める紐のこと。存在感のある太さで、色や結び方に特徴が出ます。威とは、甲冑を構成する小札(こざね:短冊状の小さな鉄板や革)を綴じ連ねる革紐や組紐のこと。色や模様が多彩で、兜だと左右から後方に下げた錣(しころ)と呼ばれる部分に施されています。

鎧飾りは、兜飾りより縅の部分が多くなるため、配色が全体の雰囲気を決めるかもしれませんね。肩から腕に垂らした大袖(おおそで)や胴から垂れ下げた草摺(くさずり)には美しい威が施されていて、単に身を守る盾としてだけでなく、武将の美意識を表現するものでもありました。

一方、伝統的な自然素材でつくられた大将飾りは、金属を多用した甲冑とは異なる味わいがあり、お人形の表情や衣裳の配色で雰囲気が変わります。最近は、勇ましさよりもやさしさ、カッコよさよりもあたたかさが好まれる傾向にあり、木目込の甲冑飾りや木製の甲冑飾りも注目されています。また、背景となる屏風や飾り台の色や素材も、五月人形の印象を左右する大きな要素だといえます。

こうした各パーツの色や素材を、インテリアの色や素材と合わせてみましょう。

シンプルモダンな部屋には、都会的な雰囲気の兜飾りや鎧飾りをスマートに飾るとおしゃれです。多色使いを避け、モノトーンでカッコよくキメるか、指し色となるポイントカラーを選んでインテリアのアクセントにしてみるとよいでしょう。カーテンやソファ、カーペットやクッションなどと色を合わせると、上級者らしい垢抜けたコーディネートになりますね。

一方、ナチュラルテイストの部屋には、あたたかみのある木目込の大将飾りや甲冑飾りが似合うかもしれません。無垢のフローリングや家具が多ければ、屏風や飾り台も光沢感のある漆塗りより、白木や和紙を使ったもののほうがマッチするでしょう。

 

〇ショーウィンドーを作り込むように空間演出しましょう

インテリアを意識して五月人形を選んだら、実際に飾り付けてみます。五月人形をおしゃれなインテリアと上手に馴染ませるには、五月人形の飾り台上だけでなく、その周囲も含めた空間全体を作り込んでいくようにするのがコツ。お手本は、おしゃれなショップのショーウィンドーです。

手軽に実践できるのは、グリーンや花と一緒に飾ることです。五月人形は菖蒲とゆかりがあることから、花菖蒲と一緒に飾っているのをよく見かけます。細長い葉は昔から刀に見立てられることもあり、五月人形との相性は抜群です。「すくすく育つ」という意味で、若竹もいいですね。ストレチアやサンスベリアなど、縦にすっきりと葉が成長する観葉植物も似合いそうです。植物の代わりに、色のきれいなハーバリウムや小洒落た流木のオブジェなどを代用しても素敵ですね。

敷物を変えるだけでもイメージはガラリと変わります。コンパクトな五月人形は、昔ながらの緑色の毛氈よりも、モダンなテーブルマットやテーブルランナーとあわせると、途端におしゃれ感がアップ。風合いのよい和紙を色違いで少しずらして敷くだけでも、和モダンな雰囲気が楽しめます。和にこだわらず、あえて北欧調のテキスタイルを使ってみるのも新鮮でよいかもしれません。

さらに、五月人形の背後にくる壁面にも注目してみましょう。端午の節句にちなんだ細長いタペストリーを飾ると、ディスプレイに奥行きや高さが出てきます。絵てぬぐいや美しい布をタペストリー風に仕立てても素敵です。わが子の成長を記録した写真を3連フォトフレームなどでおしゃれに飾れば、家族のストーリーが感じられる思い出深いディスプレイになりますね。

このように、五月人形を選ぶときにはぜひご自宅のインテリアを意識してみてください。そして、飾るときにはショーウィンドーを作り込むように、スパイスとなる小物を上手に取り入れながら立体的にディスプレイしてみてください。きっと、おしゃれなリビングにマッチした素敵な空間が生まれるはずです。

人形工房ひととえは、インテリアとして楽しめる節句人形をテーマに、おしゃれでコンパクトな五月人形を豊富に取り揃えております。あなたのリビングにぴったりの五月人形を、ぜひ探してみてくださいね。