雛人形のおしゃれな飾り方を教えて?
2020年09月08日
〇インテリアにあったコンパクトサイズの雛人形を選びましょう
昔ながらの大きめの段飾りは、室内に占める雛人形の割合が大きく、どうしてもお雛さまが主体の飾り方になってしまいます。部屋数が多く、段飾りの雛人形を飾るのに適した和室などがある家では、日本の春ならではの伝統風景として楽しむこともできますが、若い子育てファミリーの多くが暮らすマンションやアパートでは、生活空間が限られているうえに和室がないこともあり、大きな雛人形を飾ることは難しくなっています。こうした住宅事情から、近年コンパクトサイズのお雛さまが人気です。リビングの家具の上などに気軽に飾れる大きさが人気で、洋室にもマッチするモダンなデザインのものが多く、お部屋の雰囲気を壊すことなく工夫次第でおしゃれな飾り方を楽しむことができるからです。
それでは、省スペースで飾れるコンパクトな雛人形を、おしゃれに飾るヒントをいくつかご紹介しましょう。
最初に考えたいのは、お部屋のインテリアスタイルと雛人形の雰囲気をあわせる、ということです。お住まいが、無垢材を多く使った温かみのあるナチュラルスタイルなのか、白を基調に洗練されたモダンスタイルなのか、モノトーンでスッキリ見せるアーバンスタイルなのか……など、インテリアスタイルが変わるだけで、置いてある家具も違えば、カーテンやソファ、クッションの色柄だって違ってくるでしょう。住む人のこだわりが感じられるインテリアにあわせて、雛人形もインテリアとコーディネートするような気持ちで飾ると、断然おしゃれ度が上がっていきます。
例えば、ナチュラルカラーのフローリングの部屋であれば、雛人形の飾り台もナチュラルな白木のものにしてみる。白で統一したモダンな部屋には、台や屏風に白を使った現代的な色調の雛人形を飾る。モノトーンが基調のスマートな部屋には、溜塗りの黒が引き立つ雛人形をあわせる。カーテンやファブリックの色を意識して、雛人形の衣裳の色を選ぶ、というのも効果的です。このように、素材や色をインテリアにあわせて雛人形を選ぶことが、お雛さまをおしゃれに飾るための第一歩です。
〇ショーウィンドウを作り込むように多彩なグッズで空間を演出
お住まいのインテリアにあわせてコンパクトサイズの雛人形を選んだら、つぎにインテリアと自然に馴染む飾り方をマスターしましょう。
手っ取り早いのは、花やグリーンを使って部屋の雰囲気に馴染ませる方法です。桃の節句にあわせても桃の花を生けても素敵ですが、必ずしも桃である必要はありません。スイートピーやチューリップなど、同じピンクの春の花でもよいですし、季節に関係なくバラやガーベラといった存在感のある洋花でも素敵です。お雛さまの衣裳にあわせて、黄色ならスイセンやフリージア、グリーンならポトスやアイビーといった観葉植物を脇に置いてみてもよいでしょう。生花でなくとも、おしゃれにアレンジメントされた造花を使っても、思いのほかキマります。和風の雛人形と現代的なインテリアの間をつなぐ接着剤として、花やグリーンを使ってみてください。
また、雛人形を飾るときの敷物でも工夫ができます。一般的に、お雛さまは赤毛氈の上に飾るものと思われていますが、純和風になりすぎて雰囲気がお部屋のインテリアに合わないことが多いと思います。そういうときには、敷物を変えてみるのが有効です。木綿や麻のマットを使えばナチュラルな雰囲気になりますし、シックなテーブルランナーを家具の上に長く敷けば、モダンでおしゃれな雰囲気が楽しめます。風合いのよい色つき和紙を使ってもよいですね。コンパクトサイズの雛人形であれば、必ずしも下敷きをしなくても大丈夫。雰囲気のある家具の上に置くだけで、かえっておしゃれに見えるかもしれません。
さらに、気の利いたディスプレイを加えたい人は「置く」ことにこだわらず、壁に「貼る」、天上に「つるす」ことも考えてみるとよいでしょう。例えば、雛人形の後ろにくる壁に春らしい絵やタペストリーを飾ってみると、ディスプレイスペースに奥行き感が出てきます。春らしいポスターを額に入れて飾ったり、美しい布を壁飾りに仕立ててみたりしてください。桃の花などを描いた日本手ぬぐいを、タペストリー代わりにつるしてもよいでしょう。枝ツリーにきれいなまり飾りやカラフルなハニカムボールをつるしてもかわいいです。雛まつりに予定しているホームパーティーの飾り付けを兼ねて、ぺーパーファンやウォールステッカーを壁に貼ったり、ガーランドやモビールをつるしたりしてもキュートです。このとき、テーマカラーを決めてそのグラデーションでコーディネートしてみると、統一感が生まれて品よくキマります。おしゃれなショップのショーウィンドーを作り込むように、平面的な見方ではなく、空間をフルに使って立体的に飾り付けていくのがコツです。
〇わが家らしいディスプレイで家族と喜びを分かち合いましょう
雛人形は、生まれてきた女の子の健やかな成長を祝い、しあわせな未来を祈るもの。雛まつりにはぜひ、家族みんなで集まって喜びを共有したいものです。きれいな花や気の利いたディスプレイグッズを使っておしゃれに飾り付けるだけでなく、赤ちゃんの誕生を祝い、成長の喜びを家族で分かち合えるグッズを、お雛さまと一緒に飾ってみてはいかがでしょう。
例えば、初節句のお雛さまには、赤ちゃんの誕生を祝うメモリアルグッズを並べてみてください。生まれたときの写真や、手形・足型グッズ、親しい方からお祝いにいただいた銀のスプーンやベビーリングなども、一緒にディスプレイしてみましょう。ファーストトイやファーストシューズを並べてもよいですね。「こんなに小さかったんだね」「こんな出来事があったよね」と思い出話に花が咲くことでしょう。
毎年飾る雛人形ですから、成長とともに飾るものが変わっていくのも楽しいと思います。小さいときは思い出のお絵かきやマイブームのおもちゃなどを、学校に入ったら工作や賞状などを、飾ってみるのもよいかもしれません。家族みんなに褒められ認められた経験は、楽しい雛まつりの思い出とともに、お子さんの心にしあわせの種を蒔いてくれるはずです。わが家だけのスペシャルコーディネートで、家族の絆を深める雛まつりを演出してください。